2024年2月15日、新時代を切り拓く“食のクリエイター”を発掘する「RED U-35 2023」の最終審査が行われ、エスキス スーシェフの山本結以がグランプリ「2023 RED EGG」を受賞しました。
山本は合わせて、最上位の女性シェフに贈る賞「岸朝子賞」も受賞しました。
関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
詳細はこちらをご覧ください。
https://www.redu35.jp/progress/year2023/red/
最終審査の料理(RED U-35のインスタグラムより転載させて頂きました。)
○料理名
脱皮
○料理について
伊勢海老と貝、はちみつ、山菜、味噌、豆腐を用いたガストロノミー
2050年、大人になる子供たちに贈る料理”
今から25年後の2050年、私たちはどんな世界で生きていたいのでしょうか。願う未来に向かうために、私はこの料理を贈ります。
2050年のこの世界はすべてのことが完璧になるわけではないけれど、作り手と食べ手の双方が生活と消費のあり方を見直した結果、物事はよりよくなっているとじています。
私が日本の食材の魅力に気づくきっかけとなったエビをメインにしたいと考えました。エビの中でも、持続性のある資源維持のやり方を長い歴史の中で守っている三重県の海女文化に着目しました。
日本の海岸の保護者である海女文化に触れるために実際に現地を訪れて、生きた伊勢海老を丸ごと炭火で焼いて食べた思い出を私なりの解釈で一皿にしました。海女になってよかったと笑う彼女たちの笑顔が未来にずっと続いて欲しいと願いを込めています。
はちみつはミツバチが地球上で果たしている重要な役割について、一次審査で私がこどもたちに伝えた食材です。その結果こどもたちがミツバチを守るようになり、2050年の未来には美味しい蜂蜜が地球上で栽培されて、その地域の生態系に数え切れないほどの恩恵をもたらしてることでしょう。
ふきのとうを使ったのは、お子様ランチで私が蒔いた自然を敬う心のタネが育ち、花が咲いたことを想像しました。山菜は健康な山で育ちます。私たち人間が意識を変えたことで山は徐々に再生していき、未来でもふきのとうをはじめとする山菜をいただけることを願っています。
豆腐や味噌は、日本の長い歴史の中で食べられてきた食材であり、未来にも絶対に欠かせない食材になると思っています。今の時代、比較的簡単に手に入る豆腐や味噌は食材本来の味が尊重されていないものも存在して、古くから伝わる伝統的な豆腐や味噌を大人になった彼らに改めて伝えたいと思いました。真の美味しさが広がることで、食生活が環境に与える影響をへらすことが可能になり、未来はよりいい世界になると思います。
もしも本当にまだ、2050年に私が今述べた食材たちを楽しめているとしたら、それは私たちの行いが未来を変えたということです。
人々がこの料理を食べられる未来があることを強く願います。