Restaurant ESqUISSE | レストラン エスキス

NEWS

2024.06.10
【Thank you】ESqUISSE コラボレーション チャリティ イベント NOTO NO KOÉ

2024年5月17日~20日に行われましたチャリティイベントNOTO NO KOÉにご参加頂きました皆様、心を寄せて下さった皆様、誠にありがとうございました。

NOTO NO KOÉを、そして能登の豊かな食材を使用したお料理を通して能登の美しさ、力強さをお届けすることができました。

おかげ様で、イベントの収益と、お預かりしました皆様からのご寄付を合わせまして、計5,153,520円を、能登のコラボレーターの皆様 及び、公益財団法人ほくりくみらい基金「令和6年能登半島地震災害支援基金」にお渡しさせて頂くこととなりました。

イベントの主旨にご賛同 頂きご協賛下さった、株式会社EVIROシャンパーニュ様、余市Sagra様には、こころより感謝申し上げま す。

これからもESqUISSEは能登の皆様を応援してまいります。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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高潔で美しく、野性的で豊かな土地、能登。
海は滋養に富み、風は潮の香りを運ぶ。

能登の光はどこまでも透明で、時間はゆったりと流れ、
木々は互いに語り合う。

能登の自然には神秘の力が宿る。
それは古くから伝わる普遍的な言語でもあり、
限られた人しか聞き取れない言葉でもある。

能登の人々は、人類の未来に対する答えを秘めながら
そこに暮らしている。

だから能登は何度でも生まれ変わる。
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リオネル・ベカ

La marche de l’eau | Ohitashi de Sansai ( Somamichi )
水の歩み | 山菜のおひたし (杣径)

器:赤木明登氏作 輪島紙衣汁椀

(北崎シェフより)
おひたしは杣径で一年中つくっています。それは日本料理そのものだから。
日本料理の特徴は、水もしくは出汁に食材の味を逃がして、加えられた塩分とにじみ出た風味を汁ごと食べる料理法です。それは、日ごとに変わる味と香りに、たえず変化するときの流れを重ねて感じとってきた日本人の感受性を表しています。
能登に流れる水の音のスピードは流れる時間のスピード
そんなことを感じながらつくり続けているお料理です。

モミジガサ(しどけ):能登町   野蕗:明日門前

L’horizon de Yosuke  |  calamar, concombre et algues  (ESqUISSE )

YOSUKEの水平線| 赤烏賊、加賀太胡瓜、海藻 (ESqUISSE )

(リオネル・ベカより)

夜明けと共に洋助さんの船が港に戻ってくるイメージ。料理人にたくさんの恵みを与えてくれる、能登の海にオマージュを捧げたいと思いこのお料理をつくりました。洋助さんの海への愛、海の生き物の命への感謝の気持ちを込めて、できる限りシンプルに調理しました。赤烏賊は昆布締めにして能登島高農園の加賀太胡瓜を添えています。そして能登の海藻アカモクなどもあしらっています。

能登の春は海から始まると言われるほど海藻が豊かなのが特徴です。
能登の漁師の洋助さんとは大変親しくさせて頂いており、普段からエスキスで使っている魚も多く取り寄せています。洋助さんは能登町鵜川の漁師集団「日の出大敷」の五代目網元です。陸から数キロ離れた場所に網を張って、袋網に誘導した魚を捕獲する伝統的な大敷網漁。大型の漁船で魚を追って大量に獲るのではなく、魚の動きそのものを読んで「待つ」漁のため、最近では自然への回帰や資源保護に繋がる省エネ漁として世界中の漁場でも見直されています。

 

Le murmure du vivant |Assiette de legumes (ESqUISSE )
小さな命のささやき |野菜とハーブのプレート (ESqUISSE )

器:赤木明登氏作 古銀丸折敷大

(リオネル・ベカより)
このお料理は能登の人々へのオマージュです。シンプルに素材を提示しています。一つ一つの野菜のアイデンティティを失わないように、別々に調理しました。眺めているだけで希望の言葉が聞こえてきそうな一皿です。お野菜は全てが能登ではないのですが使っているハーブは全て能登から届いたものです。大きな黒いお皿は赤木明登さんによる輪島塗のお皿です。

Resilience | Dinde, shitake, myoga, herbes de Noto ( L’Atelier de NOTO)
レジリエンス|七面鳥、しいたけ、みょうが、能登のハーブ(L’Atelier de NOTO)

1988年から輪島の門前町で七面鳥を育てている大村さんはご高齢で72才、飼育施設も大きな被害を受けたのにもかかわらず、「必ず復活する」と熱いパッションを語ってくれたそう。
七面鳥に合わせる干ししいたけは冬の間にみんなで摘んで干した原木しいたけ、NOTO115。地震の揺れとエネルギーでスイッチが入ったようで、この春ものすごい勢いで大量のしいたけが出現した。4月位まで干して今回お持ちくださいました。
この料理には大村さんのパッションや、能登の土地の強力なエネルギーが静かに宿っています。
レジリエンス 負の力をポジティブに変換する力強さを表しています。

Renaissance | pates de kuzuko, sansho, palourde (Villa della pace )
再興 |葛粉のパスタ、山椒、蛤 (Villa della pace)

(平田シェフより)
イメージは「自然の脅威と美しさ」
町や道路、人が何世代にも渡って創り上げてきたものがたった1分間の地震で破壊されました。
山も崩れ、海岸も隆起し、今までの景色がそこにはありませんでした。
自然の脅威を感じた1月が過ぎてから、空いた時間に山に入りました。倒れた木の隙間を縫って森に入ると、そこには今までと変わらない森の景色がありました。春になると今までと同じように山菜が顔を出し、山椒は花を咲かせ始めました。
そんな自然の強さと美しさを共存させた料理にしたいと思い、山椒や藁で燻した蛤を使った力強いソースと、野草の美しい緑の色素を使った麺でパスタを作りました。

La beauté des liens   |  Poisson frit, duo, bouillon de fruits de mer ( l’Atelier et pace )

紡がれたもの  | 魚のフリット、能登の小魚のブイヨン(L’Atelier & Pace)

(池端シェフより)
炊き出しでいろんな料理人と交流してきました。そこで地元の居酒屋の方が作っていたハチメを頭や骨ごと揚げてバリバリと食べる唐揚げがとても印象的でした。地震を経て地域の中での交流は今までよりも深まりました。炊き出しや地元の方との交流の中では教えてもらうことも多く、人と人との絆や信頼関係の美しさを料理にしたいと思いおさかな料理を作りました。

本日はイギスをフリット。小さなハーブは明日葉やせりをつかっています。中にはゆうなんば(能登の柚子胡椒、いしりのマヨネーズ)、かりっと揚げたイギスの中骨が入っています。お皿の底には 大麦とたけのこが隠れています。 トマトビネガーでマリネしたウドを添えました。そしてブイヨンはたけのこのゆで汁と子魚のコンソメ、少しミルクを使用しています。

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このイギスもアカイカと同じ能登町 鵜川、日之出大敷 5代目網本の洋助さんが届けてくださったものです。3月の上旬にリオネル・ベカが能登を訪問し洋助さんを訪ねました。石川県の漁協は1600人漁師が登録されており、800人は輪島港で働いていらした。今回は残念ながら海岸が隆起して輪島より以北は漁に出られなくなってしまいました。鵜川は海岸の隆起が見られなかったため、1月8日から漁を再開したそうです。氷見まで氷を取りに行き、漁をしたとのことです。

Les champs généreux | Porc , navet et haricots secs (ESqUISSE)
高潔な大地  | 放牧豚、蕪、白いんげん豆 (ESqUISSE)

フランスの田舎の料理、庶民の料理によくみられる豚肉と豆の組み合わせ。フランスの歴史を振り返るとこの二つの食材によって人々が生き抜いてきたことがわかります。質素でありながら力強い一皿となっています。時に私たちは食べるものによって生かされていることを忘れがちです。今回池端さんと平田さんが震災直後から行ってきた炊き出しのことを伺ってリオネルが考えた料理です。お肉は能登と富山の境にあるブーブーファームさんの放牧豚を使っています。ロース肉は風にあてて水分を飛ばし、みそ、ハチミツ、マスタード、お酢でマリネし、仕上げにしっとりと焼きあげました。コンディモンはプルーンとヘーゼルナッツを使ったペーストを添えております。
蕪は蕪のジュースで火を入れ、仕上げに表面を焼きあげました。ソースは焼き汁に煮詰めた能登のやまぶどうジュースを加えて味を調えております。仕上げに能登の実山椒で軽く香りを加えた。能登島、高農園のフレッシュなハーブをあしらっています。

L’exil heureux | Azuki, cassis, riz au lait (ESqUISSE)
第三のテロワール  | 小豆、カシス、リ・オ・レ (ESqUISSE)
器:赤木明登氏作 能登鉢6寸と平匙

能登からインスピレーションを得たデザートです。能登半島のジオグラフィー、そこに生きる人々の自然、その気高い美しさ、奥深さの中に見え隠れする希望の光。本質的なものははかないものの中に宿るという日本苧美意識を表現しました。小豆と米という日本の食文化に欠かせない二つの食材を使っています。リオレはお米をミルクで炊いたライスプディングです。フランスではとてもポピュラーな家庭のおやつです。本日は酒粕とともにアイスクリーム仕立てにしております。隣に添えているのはナツメグの香りのシャンティクリーム。上に載っているのがカシスのテュイル。カシスの酸味をアクセントとして召し上がっていただくデザートです。
赤い器は赤木明登さんの能登鉢です。これは元来、托鉢に使う鉢のようです。そして非常に柔らかな口触りの黒いおさじがありますがこちらも赤木明登さんの平匙です。お寺で修行されている皆様が朝食を召し上がる際、一つだけ使用することを許されたカトラリーということです。