Restaurant ESqUISSE | レストラン エスキス

Behind the Dishes

2019.03.26
「鳩 -バナナのロティ&クローブ – マルサラ&干草」

鳩 -バナナのロティ&クローブ – マルサラ&干草

鳩は手羽骨、焼いた干草、マルサラと共にポシェ。パースニップのピューレ、プチベールのソテー、レンコンのバリグール、山羊のチーズで香りをつけた緑豆、サルミソース、クローブの香りのバナナのロティ、自家製発酵きのこパウダーをあしらっています。

この料理は、互いに繋がり合う異なった「サークル」-生物学的、地理的、歴史的に-によって形作られています。それらすべてを結びつけているのがマルサラ。マルサラの構成要素とそのスモーキーなうまみがすべての要素をひとつにまとめ、味わいを高めているのです。

肉のロティを含む料理には“生の” ワインを使うべきではないと私は思っています。肉のロティと火入れしていないワインの間にはほとんど埋めることができない溝があります。一方、“火入れしたワイン”はその豊かな香りのパレットにより、すべての風味を増幅させ、研ぎ澄ませることができるのです。

マルサラはシチリアでしか造られていません。果実は完熟後に収穫され、48時間天日干しされることで自然と発酵が始まり、メイラード反応が進みます。同時に紫外線の殺菌作用により、バクテリアをも死滅し、長期熟成に適した美しいワインとなるのです。主要ぶどう品種のグリッロは、高い気温でも糖分を生成しないため適度な甘さのワインに仕上がります。これは調理に使うワインとして、とでも重要なポイントです。

リオネル ベカ