Restaurant ESqUISSE | レストラン エスキス

Behind the Dishes

2022.08.16
TASTE IS WORD

INTUITION Kombu, conte, truffe

TASTE ARE WORDS

昆布、マスカルポーネ、コンテチーズ、トリュフと日本酒でできた、この不思議な小さなものが生まれてから8年が経ちました。皆さんに愛されているのでやめることができないのです。

私はよく、料理を特別なものや時代を超えるものにするのは何かと考えるのですが、その答えは見つかっていません。ただひとつ確かなことは、感動させようとしたり、驚かせる効果を考えたり、花火のような強い演出をしてはいけないということです。確かに強いインパクトを与えますが、それは料理の役割ではないと感じています。

人は大きな声で話す声を実際はあまり聞いていないということに気づきました。原始的な本能により自然に少し後ずさりしてガードするようです。話とは声の大きさの問題ではなく、トーンや柔らかさ、バリエーションが重要であり、そのような声には全神経を集中させます。そして何より、耳を傾けてもらうことを求めない声、たとえ風に流されようと発せられなくてはいけないと考えられる声は、受け取ってくれる人が必ずいるはずです。料理もきっと同じことなのです。

料理はまず沈黙しているので、静かに落ち着いてその言葉が読めるように提供されなければいけません。料理の味は「言葉のように読む」ことができ、形、色、感覚、感情に命を与え、これらすべての「言葉」は私たちの個人的な物語に答えます。

そして、料理は悲劇を修復するためにつくられます。

関口涼子さんの言葉より。「料理によって強くなることはありません。しかし、料理をいただく時間に、ある種の救いを得ることができます。帰る時に、私たち自身に何も変化がないことはわかっていますが、もしかしたら全く同じではないかもしれません。ほんの短い瞬間に、料理はこの世界に夢があることを教えてくれるからです。」

リオネル・ベカ